TVワカコ酒(9)焼き鳥(その1)
徳間書店の『コミックゼノン』連載中のコミック、新久千映さん作の「ワカコ酒」。
OLの村崎ワカコちゃんが1人飲みするという、飲兵衛には楽しいお話。
孤独のグルメ・女ひとり飲みバージョンって感じ。
そのコミックのTVドラマ版が、BSジャパンで毎週木曜日の深夜に放映されています。
3月5日放映の第9夜のテーマは「焼き鳥」。
今回は久しぶりに2部構成になっています。
前半は「鶏のから揚げ」。原作では第1巻第12夜のテーマです
後半が本日のテーマ「焼き鳥」。原作では第1巻第2夜のテーマです。
今回の脚本・監督は湯浅弘章さん。
ドラマの第1夜「鮭の塩焼き」、第5夜「エイヒレ」の監督さんでした。
湯浅さんのワカコ酒は原作に実によく拠っていて、そのうえでロケに使うお店の特徴を上手く出している。
それが今回はとくによく出ていると思います。
まずは今日はドラマの食い&飲み。
そして明日は、とんちゃん目線の重箱の隅をつつくようなコメント。
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まずはドラマの食い&飲み。
ワカコちゃんのセリフのうち原作と同じ部分を太字にしてあります。
◆前半「鶏のから揚げ」
ロケ地は鳥料理のお店「満天堂」さん。
豊島園のすぐ近くのお店です。
唐揚げは、白(白ゴマダレ)、黒(黒酢ダレ)赤(食べるラー油)と塩からあげの4種類もある。
塩からあげと黒酢ダレ。
1人前はから揚げ2個なんですね。
「まずはビールをひとくち。」
「ぷはぁー」。
あらまぁ「ぷしゅー」じゃないのね。
「から揚げってずるい。
油いっぱい吸ってるくせに、鶏肉のなかでも高カロリーな部位のくせに、太りやすい食べ物のくせに!」
「いただきます。」
「ほんとずるい。こんなの定期的に食べずにはいられないじゃないの。」
「から揚げって、惣菜やお弁当で食べるけど、揚げたてのから揚はまるで別の食べ物。
ビールとから揚げときたら、なんでこう合うのかしら。」
右手に唐揚げ、左手にジョッキの両刀使いだ!(行儀悪いぞ!)(^^)
これ、後の焼き鳥屋で出てくる「長嶋食い」への暗喩だと思いますよ。
「ぷしゅー」キタ━━━(゚∀゚)━━━!
「はぁ、ほんとから揚げってずるい。」
「鶏の肉をおしょうゆとか、お酒とか、にんにくとかで漬けこんで、油で揚げたものだよ。
はぁ、おいしいに決まっておる!」
さらにメニューを眺めて追加オーダー。
骨付鶏。
から揚げ白ごまダレ。
骨付鳥を手づかみでガブリ!
いやぁ、旨そうです。
「おスシもそうだけど、手に持って食べると、なんでこうも美味しいんだろう。」
この骨付鶏は、香川県丸亀市の名物料理になっているんですね。
「全力鶏 | 丸亀が誇るご当地グルメ「骨付鳥」:http://www.zenryokudori.com/
何種類ものから揚げや手づかみで食べる骨付鳥
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後半は「焼き鳥」。
ロケ地は東京メトロ丸ノ内線中野富士見町駅近くにある杉並区「ミヤザキ商店」。
「とりあえず生ビールひとつ」とオーダー。
いつものワカコちゃんは、はなから日本酒を飲んだりしていて、「とりあえず生ビール」という展開は珍しい。
でもこれ、原作どおりなのよ。
「ハツとネギマとしそチーズの豚肉巻き。あと、皮とレバーもお願いします。」
原作では、「つくね、ぼんじり、手羽先、皮、豚バラ、あとレバー」です。
皮とレバー以外、オーダーが全然違う。
ドラマのオーダーは誰の好みでしょうか?
「最強は、運動の後のあとの一杯目のビール。」
「ぷはーっ」
あらまぁ、原作ではここで「ぷしゅー」だけど・・・
「このレバーすごい。いままで食べたレバーと全く違う。
レバー苦手っていうひとも、このレバーは食べちゃうだろうな。」
これ原作に全くないけど、このお店のレバーへの実感ですね。
ビールをグイーっと・・・
「ぷしゅー」ここで来ました。
「どうだい、このひとりバイキング状態。これが全部わたしのだよ。」
「これはあこがれの”長嶋食い”解禁。」
「なにこのハツ、プリップリ。」
「あれ食べたり、これ食べたり、ビール飲んだり。」
後半の最後。
ひとりバイキング状態で焼き鳥を食べた後、カウンターの端に座るオーダーの少ない客をみつける。
「あの人、注文少ない。まるでおスシやさんにいるようなゆとり。
ああ、恥ずかしい。わたし大人のマナー全然できてないな。ワカコ、まだまだです。
大人のマナーは相手も自分も楽しく飲むこと。」
ちなみに原作では「焼き鳥の作法」がオチですけど、ドラマは「大人飲みのマナー」になっている。
戒めですかね。
さて、明日はとんちゃん目線の重箱の隅をつつくようなコメント。
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でも少しだけ(真面目な)コメントしちゃいます。
◆原作に拠りつつ店の特徴を紹介
「から揚げ」と「焼き鳥」を食べるワカコちゃんのセリフは原作をかなりそのまま使っています。
そして両方の料理の旨さを表現できるお店をロケ地として選定しているところが、とっても嬉しいです。
しかもそれぞれのお店の特徴をちゃんと引き出している。
から揚げのお店では、数種類のから揚げ、そして骨付鶏。
焼き鳥のお店では、まずはお店イチオシのレバー。
「ハツとネギマとしそチーズの豚肉巻き。あと、皮」も監督さんオススメなんでしょうね。
◆前半と後半をつなぐもの
2部構成になっていた今回。
料理は前半は「から揚げ」、後半は「焼き鳥」なんですけど、1つの食べ物のイメージでつながっていました。
前半で骨付鶏を食べるときのワカコちゃんのセリフ。
「おスシもそうだけど、手に持って食べると、なんでこうも美味しいんだろう。」
(これは原作にない。)
そして後半の最後、焼き鳥を大人食いするオジサンを見てのワカコちゃんのセリ。
「あの人、注文少ない。まるでおスシやさんにいるようなゆとり。」
(これは原作にある。)
「スシ」のイメージで骨付鶏と焼き鳥をつなげたようです。
この記事へのコメント
清き一票、ありがとうございます。(笑)
吉田類さん類似のポーズは、ときどきありますね。
今回は、後で登場する「長嶋食い」と同じ両手使いをあえてやらせたのではないかと解釈しています。
(この指摘を書き忘れていたので、書き足しました。)
武田梨奈さんは食べ方がきれいなので、ぜひ配慮いただきたいとわたしも思います。